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動画制作を外注するか、動画生成AIで内製するかは、「何を映す動画か」で決めるのが失敗しにくい選び方です。 実在の人物や商品を正確に見せる動画、会社の顔になる動画は外注、撮影しにくいイメージ映像やSNS用の短い動画はAIで内製、という分け方が基本になります。
費用だけを比べると、AIは1本あたり数百円〜2,000円程度(試算)で作れるのに対し、外注は1本3万〜30万円が相場です。ただしAIには「狙いどおりの映像が出るまで何度も作り直す手間」がかかり、映せないもの・苦手なものもあります。
この記事では、外注の費用相場と、動画生成AIで実際に2本の動画を作って計測したコストをもとに、両者の違いと使い分け方を整理します。
この記事で分かること
- 外注とAI内製の使い分けの結論
- 外注の費用相場と、AIの実測コストの比較
- 実際に動画生成AIで作った作例と、分かった得意・不得意
- AI内製に向く動画、外注すべき動画
- AIと外注を組み合わせる使い方
- 商用利用・著作権・肖像権の注意点
動画生成AIそのものの仕組みや活用シーンを先に知りたい方は、動画生成AIとは?できることと活用事例をご覧ください。
結論:外注とAI内製の使い分け
まずは目的別の結論です。
| やりたいこと | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 自社の社員・店舗・商品を正確に映したい | 外注 | AIは実物を撮影できない。似せることはできても「本物」にはならない |
| 会社紹介・採用・ブランドムービーなど、長く使う動画 | 外注 | 企画・構成の質が成果を左右し、修正にも細かく対応できる |
| SNS用の短い動画を数多く出したい | AI内製 | 1本あたりのコストが低く、試しながら量を出せる |
| 撮影が難しいイメージ映像(風景・季節感・世界観) | AI内製 | ロケや機材なしで作れる |
| 外注前に「こんな雰囲気」を共有したい | AI内製 → 外注 | AIで作った映像を絵コンテ代わりにすると、認識のずれが減る |
| LPやWebサイトの背景動画 | どちらも可 | 実物を見せるなら外注、雰囲気を伝えるだけならAIでも十分な場合がある |
どちらか一方に決める必要はありません。実務では、AIで早く・安く作れるものはAIで作り、成果に直結する動画には外注の予算を集中させるという組み合わせが現実的です。
費用の比較
外注の費用相場
ショート動画を外注した場合の相場は、依頼範囲によって大きく変わります。
| 依頼範囲 | 費用相場(1本) |
|---|---|
| 編集のみ(素材支給) | 3,000円〜5万円 |
| 撮影 + 編集 | 3万〜25万円 |
| 企画 + 撮影 + 編集(フルサービス) | 10万〜30万円 |
| 広告用・演出重視の動画 | 20万〜50万円以上 |
内訳や外注先ごとの違いは、ショート動画制作の費用相場と外注先の選び方で詳しく解説しています。
動画生成AIの費用(DomoAIの例)
動画生成AIは、月額プランに付いてくる「クレジット」を消費して動画を作る料金体系が一般的です。ここでは、日本語の画面で使えるDomoAIを例に見ていきます。
DomoAIの料金プランは次のとおりです(2026年10月6日時点、公式の料金ページより)。
| プラン | 年払い(月あたり) | 月払い | 毎月のクレジット |
|---|---|---|---|
| Basic | 9ドル | 13ドル | 600 |
| Standard | 29ドル | 42ドル | 2,200 |
| Pro | 99ドル | 142ドル | 8,000 |
DomoAIの中で使える動画生成モデル「Seedance 2.5」で、1本あたりに消費するクレジットを計測しました(2026年9月22日、参照素材なし、または画像1枚の場合)。
| 動画の長さ | 480P | 720P |
|---|---|---|
| 5秒 | 70 | 160 |
| 10秒 | 140 | 315 |
| 15秒 | 210 | 470 |
| 20秒 | 280 | 625 |
| 30秒 | 415 | 935 |
Standardプラン(年払い)の単価で1本あたりを試算すると、次のようになります(1ドル=150円で換算)。
| 動画 | 消費クレジット | 1本あたりの目安 |
|---|---|---|
| 480P・10秒 | 140 | 約1.8ドル(約280円) |
| 720P・10秒 | 315 | 約4.2ドル(約620円) |
| 720P・30秒 | 935 | 約12.3ドル(約1,850円) |
Standardプランの月2,200クレジットでは、720P・30秒の動画は月に2本までという計算です。なお、Standard以上にはクレジットを消費しない「リラックスモード」がありますが、2026年10月時点の料金ページではSeedance 2.5はリラックスモードの対象外(クレジットを消費する高速モードのみ)となっています。
見落としやすいコスト:作り直しと社内の手間
上の表は「1回の生成」の費用です。動画生成AIは、同じ指示でも生成のたびに結果が変わるため、使える1本ができるまでに何回か作り直すのが前提になります。仮に1本採用するまでに5回生成すると、720P・10秒でも1,575クレジットを使い、Standardプランの月の枠の7割を超えます。
また、指示文(プロンプト)を考える、出てきた映像を選ぶ、テロップやロゴを入れて編集する、といった作業は社内の担当者が行います。外注費はかからなくても、担当者の作業時間というコストは発生する点を見込んでおきましょう。
実際に動画生成AIで作った作例
「どこまで自然に仕上がるのか」を確かめるため、DomoAIの「オムニリファレンス」機能でSeedance 2.5を使い、縦型の動画を2本作りました(2026年9月22日、筆者が運営するCodeQuest.workでの検証)。
作例1:文章の指示だけで作った会話動画(720P・10秒)
画像も動画も渡さず、文章の指示だけで作った1本です。夜の作業部屋で、Web制作者の女性がスマートフォンで自撮りするVlog風の映像で、セリフは「今夜はクライアントさんのサイト、最後の仕上げです。…よし、公開ボタン押します!」と日本語で指定しました。
日本語のセリフは聞き取れる発音で、口の動きもセリフに合っています。最後にキーを押して小さくガッツポーズする動きまで、指示どおりでした。手ぶれや照明の雰囲気も含めて、人が撮影した映像と並べても見分けにくい水準です。生成にかかった時間は約4分でした。
作例2:1本目の人物を参照して別の場面を作る(480P・10秒)
1本目から切り出した画像1枚を参考素材として渡し、「同じ人物が翌朝カフェで、公開したサイトをスマートフォンで確認する」場面を作りました。
髪型などの見た目は1本目の人物がそのまま引き継がれ、シリーズものの動画を作れる手応えがありました。一方で、翌朝の場面なのに服まで同じになっており、服を変えたい場合は指示文で服装を指定する必要があります。また、スマートフォンの画面に映る文字は読める状態にはなりませんでした。
作例から分かったAIの得意・不得意
| 項目 | 結果 | 実務での意味 |
|---|---|---|
| 人物の自然さ・カメラワーク | ◎ 実写と見分けにくい | SNS用のイメージ映像には十分使える |
| 日本語のセリフ | ◯ 口の動きも合う | ナレーション付きの短い動画も作れる |
| 同じ人物の再登場 | ◯ 見た目は引き継がれる | シリーズ動画に使える。服装などは指示が必要 |
| 画面内の文字 | ✕ 読める文字にならない | 画面やテキストを見せる動画には向かない。文字は編集で後から入れる |
| 実在の自社商品・社員 | ✕ 再現できない | 「本物」を見せる動画は撮影(外注)が必要 |
「4K対応」の表記に注意
動画生成AIのサービスでは「4K対応」と書かれていることがありますが、生成する時点の解像度と、生成後に引き伸ばす「アップスケール」は別物です。
DomoAIの場合、Seedance 2.5で生成できるのは720Pまでで、4Kは生成した動画を後から高解像度化する機能(4K Video Upscaling)によるものです。アップスケールで画面サイズは大きくなりますが、元の映像にない細部が描き足されるわけではありません。大きな画面で流す動画や、細部まで見せたい動画では、この違いが仕上がりに出ます。外注の撮影で最初から4Kで収録するのとは、性質が異なる点を押さえておきましょう。
AI内製に向く動画・外注すべき動画
AI内製に向く動画
- SNS用の短い動画:毎週の投稿など、量とスピードが求められる動画
- イメージ映像:季節感・雰囲気・世界観を伝える、撮影が難しい映像
- 広告クリエイティブのテスト:複数のパターンを作って反応を比べる用途
- 絵コンテ代わりの試作:外注や撮影の前に、完成イメージを共有するための映像
外注すべき動画
- 実在の人物・店舗・商品を見せる動画:社員インタビュー、店舗紹介、商品の使い方など
- 会社の顔になる動画:会社紹介、採用、ブランドムービーなど、長く使い信頼に関わる動画
- 企画・構成が成果を左右する動画:LPのファーストビューや広告の本番動画など、誰に何を伝えるかの設計から必要なもの
- 細かい修正を重ねたい動画:AIは「この部分だけ直す」が苦手で、作り直しになりやすい
AIと外注を組み合わせる使い方
AIと外注は対立するものではなく、組み合わせることで外注の質も上がります。
- AIで完成イメージを作る:外注前に、イメージに近い映像をAIで数本作る
- イメージを制作会社に共有する:「この雰囲気で、実際の店舗を撮ってほしい」と伝えられるため、文章だけで伝えるより認識のずれが少なくなる
- 本番の撮影・編集を外注する:成果に直結する動画は、プロに企画・撮影から任せる
- 派生の短尺はAIで補う:本番動画の世界観に合わせたSNS用の短い動画やイメージカットをAIで追加する
特に1と2は、外注で起こりがちな「思っていた仕上がりと違う」を減らすのに役立ちます。動画の構成づくりについては、ショート動画の構成テンプレートも参考にしてください。
商用利用・著作権・肖像権の注意点
AIで作った動画を仕事で使う前に、次の点を確認しておきましょう。
1. 商用利用の条件はツールごとに確認する
DomoAIの利用規約(2026年8月13日更新)では、生成したコンテンツはユーザーのものとされ、商業目的で使えると定められています。ただし、その使用が法令や第三者の権利に違反しないことを確認する責任は、利用者が単独で負うとされています。また、公開する場合はAIで生成したコンテンツであることを明記するよう推奨されています。
他のツールでは、無料プランでは商用利用できない、プランによって条件が違う、といった場合もあります。使うツールの最新の規約を必ず確認してください。
2. 実在の人物を本人の同意なく描写しない
DomoAIの規約では、本人の同意なく実在の人物を描写するコンテンツの作成が禁止されています。社員や有名人に似せた動画を作ることは、規約違反だけでなく肖像権やパブリシティ権の問題にもつながります。
3. 既存の作品に似せない
文化庁が2024年3月にまとめた「AIと著作権に関する考え方について」では、AIで生成したものでも、既存の著作物との類似性と依拠性が認められれば、著作権侵害になり得るという考え方が示されています。特定の作品やキャラクターの名前を指示文に入れるのは避けましょう。
4. アカウントの共有・貸し出しはしない
DomoAIの規約では、アカウントを他人に貸す・共有する、サービスを再販するといった使い方が禁止されています。社内の複数人で使う場合は1人1アカウントにするか、Teamプランを検討しましょう。外部に制作を依頼する場合も、依頼先が自社のアカウントで生成するのか確認しておくと安心です。
DomoAIを試すなら
まずは自社の用途で、どの程度の映像が作れるかを試してみるのがおすすめです。DomoAIは日本語の画面と日本語の規約が用意されており、登録してすぐに使い始められます。
- 料金:Basic 月9ドル〜(年払いの場合)
- 使えるモデル:Seedance 2.5 ほか複数
- 生成した動画にウォーターマーク(透かし)は入らない
料金プランや使えるモデル・機能は変更される可能性があるため、申し込みの前に公式サイトで最新情報を確認してください。
よくある質問
動画生成AIを使えば、動画の外注は不要になりますか?
すべてを置き換えるのは難しいです。動画生成AIは実在の人物・店舗・商品を撮影できないため、本物を見せる動画は撮影が必要です。一方、SNS用の短い動画やイメージ映像はAIで内製できる場合が多く、外注する本数を減らすことはできます。
AI動画1本あたりの費用はどれくらいですか?
DomoAIのStandardプラン(年払い)で試算すると、720P・10秒の動画1回の生成で約4.2ドル(約620円)、720P・30秒で約12.3ドル(約1,850円)です。ただし狙いどおりの映像が出るまで何回か作り直すことが多いため、実際の費用はその数倍を見込んでおくと安心です。
AIで作った動画は広告やWebサイトに使えますか?
ツールの規約で商用利用が認められていれば使えます。DomoAIの規約では商業目的での利用が認められていますが、法令や第三者の権利に違反しないことを確認する責任は利用者にあります。使うツールの最新の規約を必ず確認してください。
AIで作った動画に文字やロゴを入れられますか?
生成の段階で正確な文字を入れるのは苦手です。今回の作例でも、スマートフォンの画面に映る文字は読める状態になりませんでした。テロップやロゴは、生成した動画に動画編集ソフトで後から入れるのが確実です。
4K対応と書かれたツールなら、4Kの動画が作れますか?
生成時の解像度と、後から引き伸ばすアップスケールは別物です。DomoAIの場合、Seedance 2.5で生成できるのは720Pまでで、4Kは生成後のアップスケールによるものです。細部まで見せたい動画では、この違いが仕上がりに出ます。
同じ人物が出てくる動画をシリーズで作れますか?
作れます。今回の検証では、1本目から切り出した画像を参照素材として渡すと、髪型などの見た目が2本目にも引き継がれました。ただし服装も引き継がれやすいため、場面に合わせて変えたい場合は指示文で服装を指定する必要があります。
まとめ
動画制作を外注するか、AIで内製するかは、費用ではなく「何を映す動画か」で決めるのが基本です。
- 外注:実在の人物・店舗・商品を見せる動画、会社の顔になる動画、企画が成果を左右する動画
- AI内製:SNS用の短い動画、撮影が難しいイメージ映像、広告のテスト、外注前の絵コンテ代わり
- 費用:外注は1本3万〜30万円、AIは1回の生成で数百円〜2,000円程度(試算)。ただしAIは作り直しと社内の作業時間を見込む
- 注意点:商用利用の条件、実在の人物の描写、既存作品との類似を確認し、アカウントの共有・貸し出しはしない
AIで作れるものはAIで作り、成果に直結する動画には外注の予算を集中させる。この組み合わせが、限られた予算で動画を増やす近道です。
RINIAでは、ショート動画の企画・撮影・編集から、WebサイトやLPでの動画の活用まで対応しています。「AIで作るべきか、撮影すべきか分からない」という段階からのご相談も受け付けていますので、お問い合わせください。
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